|
ハッピースリーパー どれだけ眠ってもなんだか物足りなくて 何度も何度もまぶたを閉じてみるけど それでも『なにか』が僕には足りなくて 教えてください 僕に足りないものはなんですか? 「僕に足りないもの、なに?」 「は?何言ってんだ志水・・・。」 クラスの人に聞いても、チェロを弾いてもわからない 因数分解や化学反応とか曲の解釈以上に難しくて 僕は多分気がついてる だけど 目には見えないから探すんだ 「どこにあるのかな・・・。」 僕が今いちばん、欲しいもの 「・・・んっ」 まぶたを開くと一面にオレンジの空の海が広がっていた 「あっ、志水くん起きた?」 「日野先輩・・?」 なんで日野先輩が目の前にいるんだろう・・・? あ、僕は屋上で練習してて、それからチェロを弾いて、眠って・・・ でも先輩がいる理由がわからない 「どうして日野先輩がここに・・?」 「屋上で練習しようと思って来てみたら先に志水くんが寝てたの。」 「練習・・・。」 「うん、セレクション近いし!どうかしたの?」 音が聴こえなかった 僕はよく眠ってしまうけれど先輩の音を聴いたら きっと起きると思うのに 先輩は練習をしていない、どうして・・・ 【志水くんが寝てたの。】 「あ」 僕を起こさないために先輩は、ずっと となりにいてくれた・・・ 「志水くん?」 「・・・見つけた。」 「何を見つけたの?」 「ずっと、探していたものです。」 僕を満たしてくれる、僕をしあわせにしてくれる、 僕に足りないもの、 「日野先輩。」 「ん?」 「ありがとうございます。」 「へっ?」 「僕は先輩といると、しあわせなんです。」 少し照れたように微笑んだ日野先輩の顔は ゆっくり空にとぽんっと溶けていった (僕のしあわせはあなたです) |