BLUE BIRD





パチパチパチパチパチパチ


鳴り止まない拍手は誰に向けて響いているのだろう?
それにここはどこだろう?眩しい照明がいくつもあって、建物はウィーンの国立歌劇場やミラノのスカル座のように 大きくて広くて上品で。
観客は皆、外国人ばかり。なんでだろう?
そういえば僕はステージの上に立ってる。スポットライトを浴びてて右手には弓、左手にはチェロ。じゃあ僕がここで演奏してた のかな?
「桂一の演奏はとても素晴らしいっ!」
「もう一度聴かせてほしいわ。」
たくさんの人々の中から聴こえる声。僕は構えてチェロを弾き始めた。
・・・この音は。
いつもより滑らかに指が動いて、まさに理想の音がそこにはあった。
僕はいつからこんなに弾けるようになったんだろう?
わからないけど、とても心地が良い。天国にいるような気分。
僕は・・・しあわせだなあ。



「桂ちゃん、起きなさーいっ!!」
チュンチュンチュン


「・・・・あさ?・・・」


重いまぶたを開けてみると見慣れた天井があった。
あれは夢だったのかな?


そしていつもの朝が始まる。僕は学校へ向かう。
あんな夢のような夢とか至上の幸せとかは簡単に手に入らないんだってわかった気がした。



「志水くん、おはよう。」
「あっ、香穂先輩・・おはようございます。」


幸せだけは案外近くにあるものなのかな。