たとえば漆黒の闇の中で輝く星はダイヤモンドのように美しい。
インディゴブルーの海に差し込む閃光とキラキラ光る水面も美しい。
真夏日、蒸し暑い室内で飲む透明なコップの中の溶け出す氷も美しい。
これは僕の感性だけど。日常に隠れるそれは非常に心を揺さぶる。
でもそれと同時に退屈していた。テニスは面白いけど、僕が望んでいる感情を満たしては くれないし、注いでもくれなかった。物足りない。
見えるものは結局、視界というもので縮小されてしまうから、遠い遠い異国の出来事や後方に 広がる生きている今も見ることはできない。
寂しい、いや違う、虚しいに等しい。
こんな気持ちのときは部屋にいてもストレスが溜まるだけだ。
愛読している本も、壁にかかるシンプルな時計も、テレビのリモコンも携帯電話も。
目に映るだけでイライラする。外に出よう。海が見える公園がいいな。
散歩がてら僕は家を出た。潮風に吹かれながらぼんやりと空を眺めていた。
青い。初夏を迎えようとする空はなんて美しい。
公園を歩いていると、人が多くなってきた。日曜日だからかな?
人ごみをかき分けて一節の音が聴こえてきた。そう遠くない。
僕は気になってその音色がするほうへ向かっていった。
そして僕は音源を探し当てた。ヴァイオリンを弾く女の子。きっと彼女に間違いない。
また彼女は構えて演奏を始めた。弓を下ろした瞬間に生まれる旋律は透明であたたかい。
聴こえたまさにその時、つま先から僕の世界は燦然と彩りを加えて変わりだした。
ああ  なんて





うつくしい。