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sweet memory 「じゃあ、今日の練習はここまでにしようか。」 「うん。お疲れさま、加地くん。」 「日野さんこそ、今日はお疲れさま。」 僕が日野さんと休日も練習をするようになったのは、つい最近だ。 まさか見ているだけが、いつの間にか一緒に奏でているなんて。 本当に幸せなハナシだ。 「ねぇ、この後なんだけど時間大丈夫?」 「うん。大丈夫だけど…何かあるの?」 「ちょっと一緒に行きたい場所があるんだ。」 ******************** 「ここは…」 「そう、僕が君を初めて見つけた場所だよ。」 潮風が僕の髪をなぞるように通り抜けて、空も美しい青のグラデーションを描いていて。 そうだ、今日はあの日にそっくりだ。 「君を見つけたときも、今日みたいな風や空だったな。」 「覚えてるの?」 「もちろん。だって僕にとって、」 僕にとってはかけがえのない宝物だから。 他の誰かにとっては変わらない1日だったとしても、僕は違う。 運命を世界を僕自信をやわらかな音色で変えた日だった。 「僕は忘れないよ。あの日のことも、今日のことも。」 「加地くん…」 「君と過ごす時間は絶対に忘れないよ。」 君はきっとわからないよ。 君という存在が僕の中でどれほど溢れているか。 幸せすぎて涙が出る感覚や切なすぎて心が揺れる感覚も。 君はわからない。 もう言葉には出来ないくらい、ただただ君を想う気持ちを。 「…私も忘れない。」 「日野さん?」 「加地くんと過ごす日々を。それと今日みたいなあの日も忘れない。」 「私が初めて加地くんに見つけてもらえた日も。」 そういって愛しく笑う君も、やっぱりあの日と変わらないね。 |