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Colors 「うーん」 「日野さん?」 「あ、加地くん!」 「どうかしたの?」 「それが悩んでて…」 【自分に似合う色は何か?】と。彼女は僕に言った。 「日野さんに似合う色?」 「うん。服とか買うときに、模様とかカタチがかわいいなーって思って買ってて色とかあまり気にしてなくて」 「ああ、わからなくはないかも。僕も素材重視で買っちゃうときあるし」 「それで冷静に考えたら、私に似合う色ってなんなんだろうって思っちゃって」 「なるほど…」 君に似合う色か… 「加地くんは何色が似合うと思う?」 「そうだなぁ…碧色とかかなぁ?」 「碧色って青緑みたいな色のことだよね?」 「うん、さわやかだけど優しい色。君によく似合うよ。」 「ホント?」 「若干、僕の好みも反映されてるから。参考程度にしといて。」 とか言って、結構譲れないことだったりもする。 僕の好きな色だし、珊瑚礁の海のような色はまさに人魚のような君にピッタリだよ。 「他にはどんなのが似合うかな?」 「うーん…同じ系統で行けば青とかいいんじゃない?」 「青かぁ。さわやかだね」 「クールな雰囲気の色だし、落ち着いた印象が出せるね。」 「クールなら緑とかも?」 「緑かぁ…うん、いいと思う。日野さんは素材がいいから何色でも似合うんじゃないかな?」 「えっ、そんなこと…」 「ふふっ、照れてる君も可愛いよ」 「加地くんったら!」 「ゴメンゴメン。でも本当だよ。明るい黄色やオレンジや赤だって、大人っぽい紫、黒、白、かわいいピンクだって。日野さんなら着こなせるよ。」 「…そうかな?」 「うん。信じて。」 あ、わかったかも。 彼女はどんな色にも合って着こなせる。 だからアンサンブルが上手くいくんだ。 いろんな人とも溶け込めて正しい方向に導く。 そんな彼女だからアンサンブルは成功したんだ。 なんだ、そういうことか。気付いたら簡単なことだったよ。 彼女は真っ直ぐで、正直で、純粋で、透明な色をしている。 そんな君を僕の色に染めたいと思うのは仕方ないよね。 そんな君に惹かれた僕が悪いんだから。 ねぇ、日野さん。 いつか君を僕の色に染めてみせるから覚悟しててね? なーんて 僕は君色に完全に染まってるって言うのに |