今昔雨






学内選抜が終わり、律くんと一緒に下校していたら、
夕立が私たちに勢いよく降り注いだ。



私と律くんは走って寮まで戻ることにした。









「ふーっ、いきなりでビックリしたね。」



ケースは濡れなかったけど、
お互い髪や服が濡れている。



「風邪をひくといけない。小日向、」



そう言って律くんは私の髪を拭きはじめた。
なんか、くすぐったいな。



「律くんの髪も乾かさないと、」
「俺の髪?だが、そんなものは後回しでも・・・」
「ダメだよ、私拭いてあげる。」
「うわ、やめろ、待て小日向。」



律くんもくすぐったそうにしてる。
なんか懐かしいなあ。こうゆうの。



「ふふっ、」
「何がおかしい?」
「律くんがかわいいなーって。」
「俺が?なぜ?」
「昔を思い出すからかなあ?」
「たしかに、懐かしいな。」



しばらくの間、律くんの髪をふいたり
自分の髪を拭いたりした。



「これでバッチリだね。」
「ああ・・・・っ、」
「どうしたの?」
「いや、とにかく早く着換えろ。風邪をひく。」
「うん、律くんもね。」



なんか少し動揺した、みたい?
一体なんだったんだろう。



疑問に思いつつ、自室へ戻ることにした。
その頃、律も自室にいた。



(いつの間にあんな、)



雨に濡れて張り付いた制服から覗く
かなでの身体はあきらかに女性だった。



やわらかく滑らかなラインに
思い知らされる。



かなでも大人になった。



わかってはいたことだ。
今さら意識するだなんて。



俺はどうしたんだ?